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第60回 賃貸経営のコンプライアンスを考える 事例に見る貸主の管理責任とリスク・マネジメント <平成20年1月12日(土)> |
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(株)タイセイシュアーサービス 相談役・(財)日本賃貸住宅管理協会 評議員 大美 威之
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1 コンプランアンス(COMPLIANCE)とは
「コンプライアンス」とは日本語で言うと「法令遵守」で、法律を守りましょうということ。
これは全ての基本となり、海外へ行っても法律を守ることは大事である。しかし、法律さえ守っていればいいのか、ということではなく、社会通念、倫理を守るということが重要なのである。
また、「CSR」(コーポレート・ソシアル・レスポンスビリティ)についてもコンプライアンスと同じように取り扱われている。
これは「企業の社会的責任」を指すが、大手企業ではこのCSRを守るために社内に組織を作り、実行を図っている。賃貸管理業でも同じことで、コンプライアンス、CSRが重要になってきている。
2 リスク・マネジメントとは
・リスク・マネジメントの定義
リスク・マネジメントとは「危機管理」のことである。昨今、リスクが高まってきており、5〜6年前から比べると、リスクだらけとも言える。
例えば、
・消費者契約法(PL法)
・個人情報保護法
・国交省のガイダンス
・少額訴訟制度
・団体訴訟制度
など、リスクの高い環境になってきている。
・賃貸管理業の定義
賃貸住宅経営のオーナーにとっても、
・空室のリスク
・賃料滞納のリスク
・賃料低下のリスク
・新しい法律や制度によるリスク
・建物の修繕などにかかるリスク
・リスク・マネジメントの4つの要諦
・嘘をつかない
・隠さない
・真面目にする
・努力をする
・リスク・マネジメントサーキット
予知…リスクを予知する 危機の兆候を探知する
予防…リスク発生を予防する
発生…真偽の確認
対処…リスク発生に対処する 被害局限措置を講ずる
処理…リスク発生後の処理・復旧
教訓…リスクから教訓を学ぶ
3 事例研究
・火災時の管理責任
平成13年9月、東京・新宿歌舞伎町の雑居ビルで44人死亡。業務上過失致死罪でビル会社幹部らが逮捕された。ビル会社や管理会社の責任は?
・火災警報器の設置義務
家主が火災警報器を設置しない。改正消防法(平成18年6月施行)の火災警報器設置義務は罰則がない。従って設置しなくても問題はないか?
・建物の危険性の放置
建物の外階段が錆びており、手すりで手を切る、転倒する等の危険性がある。バルコニーの格子が外れて、入居者が転落し死亡した。こうした事故の責任は誰が負うのか?
・建物の鍵に関する管理責任
・事例1
募集書面に「鍵交換費は借主負担」と記載しているのに、借主が鍵交換費用を支払わない。「鍵交換しないために生じた損害は貸主に責任を問わない」と一筆書いてもらえばよいか?
・事例2
貸主がピッキングの被害にあった場合に、マンションオーナーや管理会社の責任は認められるか?
・入居者の死亡に関する対応
入居者が室内で自殺した。次の借主の募集に際して、「自殺」に触れず行ったところ、入居後、借主が知り契約解除と損害賠償の請求を受けるに至った。「自殺」を告げなかったことによる貸主の責任はあるか?
・騒音クレームに関する管理責任
騒音クレームに関する入居者同士の紛争から障害事件が発生し、借主が損害を被った場合、貸主や管理会社に責任はあるか?
・個人情報に関する管理責任
車上荒らしの被害にあい、案内する予定だった物件の図面やお客さまカードを盗まれた。顧客に連絡すると高額な慰謝料を請求された。管理会社、仲介会社に責任はあるか?
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