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第41回 賢い保険の活用方法 〜Part3〜 <平成18年6月3日(土)>
あいおい生命保険株式会社 井田 肇

1 生命保険を相続対策に活用する

いつ起こるか分からない相続に対して
生命保険はいろいろな意味で相続対策に役立ちます。相続税の納税資金の準備、遺産分割問題への対処、相続財産の圧縮などに生命保険を効果的に活用することができます。相続対策の必要な人は何も資産家だけとは限りません。私たちの周囲の人達にも必要です。

・相続税の納税資金準備
相続税の納税資金を準備する場合、生命保険で準備すると断然有利です。

・遺産分割資金対策
相続財産のほとんどが居住用の不動産というような人の場合、不動産を分割するのは事実上困難で、「遺産分割問題」が俗に言う“争続”問題を生じかねません。こういうときに生命保険に加入しておくのです。

・相続財産圧縮対策
相続財産のすべてがそのまま相続税評価額になるわけではなく、財産の種類によっては非課税枠があったり、あるいは課税されない財産もあります。



2 相続税納付資金対策としての提案

●相続財産完全防衛プラン
相続時における相続税の納税者は、実は21人に1人(平成13年)と意外に少ないのですが、課税対象者にとって、相続税対策は頭を抱える大問題です。特に不動産や自社株が財産の大部分を占める人の場合、相続が発生すると納税資金の確保に苦慮することが予想されます。 なかでも、オーナー経営者の場合、一般に相続財産の価額が大きく、相続税が多額になります。一方、経営者の資産は自社株や不動産などの事業用資産が大半を占めているため、納税するための資産が少ないといったことが起こりがちなのです。

●保険金額を計算する
納税資金確保のために必要な生命保険金額を計算する場合には、支払われる死亡保険金にも相続税がかかることを考慮したうえで金額を決める必要があります。この金額を「相続財産完全防衛額」といいます。



3 遺産分割資金対策としての提案

事業用の不動産は自社株等は、通常後継者が相続します。しかし、これらの財産が相続財産の大半を占める場合は、他の相続人に分ける財産がなくなり、遺産分割を巡る争いに発展する危険性があります。特に自社株や事業用資産のウエイトが高いオーナー経営者は、この分割対策資金の準備は大切です。

●代償分割のみを活用するプラン
・法定相続分を相続した場合
・代償分割資金の不足額
・生命保険の提案

●遺言と代償分割を併用するプラン
・遺言を活用した場合
・生命保険の提案



4 節税対策としての提案

・財産の評価下げ対策
「生命保険契約に関する権利の評価」を活用して財産の評価額を下げる方法…生命保険契約に関する権利とは、相続開始時において、また保険事故が発生していない生命保険契約に関する権利のことです。

・財産移転対策
保険料贈与を活用して財産を生前に移転する方法…生前贈与として広く活用されている方法に、保険料相当額を子に贈与し、その現金で父を被保険者とする生命保険を契約する方法があります。



5 関連用語ア・ラ・カルト

・寄与分
被相続人の財産の形成・維持に貢献した相続人、または被相続人の医療看護に特別の功労のあった相続人は、遺産の配分にあたり、寄与分として法定相続人とは別枠で遺産を相続できます。

・特別受益分
相続人が相続分の前渡しとみられる多額な贈与を受けていた場合、生前贈与された額を相続財産に含めて分ける制度のことをいいます。

・遺産分割の方法
(1)現物分割…家屋は妻、土地は長男、株式と現金は次男、宝石は長女というように、個々の財産を各相続人に配分する方法です。
(2)換価分割…遺産を売却処分して現金化し、その現金を各相続人に配分する方法です。
(3)共有…遺産が不動産などの場合、各相続人の相続分通りの持分で共有登記をする方法です。
(4)代償分割…遺産の全部または一部を現物で相続人の一部の人(後継者)に取得させ、その代わりにその遺産を取得した人は、他の相続人に代償分割資金を支払う分割方法をいいます。

・遺留分
被相続人が法定相続人にこれだけは残さなくてはならないという遺言の最低部分です。

・遺言の方式
(1)自筆証書遺言

・普通方式
遺言者(被相続人)が、全文、日付および氏名を自分で書き捺印する方式で、だれでも簡単に作成できます。

・公正証書遺言
相続人以外の証人2人以上が立ち会ったうえで、遺言者が遺言の内容を公証人に口述し、公証人がこの口述を筆記して、これを遺言者およびに証人に読み聞かせて行う遺言です。

・秘密証書遺言
だれにも内容を知られずに遺言できる方式です。

(2)特別方式

・一般危急時遺言
病気その他の理由で死が差し迫っていて、遺言書を作成する時間的余裕がないときにつくる遺言です。

・一次相続・二次相続
先に夫が死亡したときのことを一次相続、後の妻のときを二次相続といいます。この逆の場合も同様です。

・配偶者の税額軽減の特例
被相続人の配偶者が相続により取得する財産は、次のいずれか高い金額まで控除され、実質上相続税はかかりません。
(1)配偶者の法定相続分
(2)1億6,000万円
つまり、相続人が妻と子の場合、妻の法定相続分は2分の1ですから、遺産総額の2分の1か、1億6,000万円のいずれか高い金額までは妻に相続税はかかりません。