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第26回 不動産登記について 基礎から実務まで・重要改正点!
<平成17年3月5日(土)>
堂島合同事務所  西川 恒夫

1 不動産登記とは

不動産登記は、不動産の物理的概要や、所有権、抵当権などの権利の発生、変動、消滅を登記所に備えられた不動産登記簿に記載すること、または記載そのものをいいます。

この不動産登記の制度は、当事者以外には掌握しがたい不動産に関する法律関係を公の帳簿に記載し、これをその不動産について利害関係を有する人に公開することにより取引の安全と円滑化を図り、併せてその不動産について権利を有する者の保護を図るための制度です。
したがって、登記簿は正確で現在性のある法律関係が記載されていることが必要です。
登記制度上、不動産とは土地と建物のことをいい、不動産登記簿には土地登記簿と建物登記簿があります。

登記(簿)というのは、不動産に関する権利関係の現状とともに、権利関係の変遷を記した不動産の履歴書ともいえます。
登記はこのように不動産に関する情報を開示するだけでなく、抵抗力が与えられています。 民法177条は、「不動産に関する権利の取得、変動、喪失は登記しなければ第三者に対抗できない」と定めています。

2 登記簿

登記簿は土地一筆ごと、あるいは建物一個ごとにひとつの登記簿作成され、表題部甲区、乙区に分けられています。
表題部は、その不動産の物理的概要が登記されています。それが表示に関する登記です。
表題部には土地の場合には、所在・地番・地目・地積が、建物の場合には、所在・家屋番号・種類・構造・床面積が登記されています。したがって、建物の新築や公有水面の埋め立てにより不動産が生じたときは不動産の表示登記として、これらの事項をあらたに登記することになります。また増改築や土地の主たる用途の変更などにより、これらの事項に変更が生じたときは表示の変更の登記がなされなければなりません。さらに、建物の取り壊しなどにより、不動産が消滅したときは滅失の登記がなされることになります。

3 優先順位

登記の優先順位は、なされた登記の前後によります。この登記の前後は同一区では順位番号により、甲区、乙区間の登記の順位は、受付日付、受付番号によって決まります。

4 所有権保存登記

甲区にはじめて記載される所有権の登記を、所有権保存の登記といいます。

5 所有権移転登記等

その後、売買などにより所有者が変わったときは、所有権移転の登記を申請します。

6 抵当権設定

抵当権とは、ある特定の債権を担保にするために債務者または物上保証人の提供した不動産を提供者の使用収益に委ねておきながら、債務が弁済されなかった場合にそれを換価して、その代金から優先弁済を受けるものとする担保物件です。

7 地上権・賃借権

地上権とは工作物または竹木を所有するために他人の土地を利用する権利です。工作物とは建物やゴルフ場やスキー場などさまざまなものが定められています。地上権の効力は、土地の上下に及びますが、地下または空間の一定の範囲のみを目的として地上権を設定することもできます。これを区分地上権といいます。 賃借権は賃借人が賃貸人に対して賃料を支払い、ある物を使用収益することのできる権利です。

8 仮登記

登記の対抗力、すなわちすでに有効に発生した物件変動の効果を第三者に対して主張できるのは、登記をした時点からです。優先順位は登記の前後によります。仮登記とはこの順位を保全するための登記です。仮登記の段階では対抗力はありませんが、その仮登記について本登記を行うという手続きを経ることによって抵抗力をもち、仮登記の後にされた登記に優先することができます。

9 添付書面

登記申請をする際には、さまざまな添付書面が必要になります。
・住民票
・権利書(保証書)
・印鑑証明

10 登記の交信力・推定力

以上のように、不動産取引をする際には当事者の存在、意思、処分権限の調査が不可欠です。なぜなら登記には交信力がないからです。つまり、不動産登記制度は取引の安全よりも所有者の権利を保護しているのです。

11 区分建物

一棟の建物に構造上区分された数個の部分で独立して住居、店舗、事務所、倉庫その他建物としての用途に供することができるものは、独立してその各部分を所有目的として登記することができます。このような建物を区分建物といいます。
・一棟の建物の表示
・敷地権の表示
・専有部分の建物の表示

12 登録免許税

登記の申請をする際には、一部の場合をのぞいて登録免許税がかかります。登録免許税は、実際の売買代金などと関係なく、市役所、町・村役場に備え付けられている固定資産課税台帳に記載されている評価額をもとにしてこれに税率をかけて計算します。

13 共有と贈与

ひとつのものに対して二人以上の所有者がいることを共有関係といいます。

14 登記はいつまでにしなければならないのか

不動産の権利に関する登記、つまり所有権保存登記や所有権移転登記は不動産に関する権利の得喪を第三者に対抗するためにする登記ですから、登記申請は強制されていません。

15 権利書ができるまでの流れ

・新築建物の場合
所有権保存登記の申請の際、申請書の副本を法務局に提出します。登記完了後、法務局より申請書の副本に登記済印を押印したものが還付され、それが権利書となります。
・中古建物、土地の場合
登記申請に際し、原因証書というものを添付します。例えば、売買による移転であれば、売買契約書や売り渡し証書、訴訟によって登記名義を移転する場合には判決正本など、物件変動の原因となった事実を表象する書面が原因証書です。これに法務局の登記済印が押印されたものが還付され、それが権利書となります。

16 その他

・なぜ、新住所登記と現住所登記の費用が違うのか
・登記費用は新築・中古、マンション・戸建てでどの程度差があるのか

●不動産登記法の改正 ー105年ぶりの全面改正ー
 平成17年3月7日から施行

「登記簿謄本の見方」
1 不動産登記
2 登記簿の見方
3 登記簿の調べ方・図面など
4 登記簿に表れた危険信号(所有者・不動産の信用度)
5 登記簿から見える物・入居者はここに注目している!!